世界の工場中国のいま

 世界の工場と呼ばれる中国。日系製造業の工場も多く立ち並んでいます。

 

 世界最大級の人口を有し、これまでは安い賃金と豊富な労働力をキーワードに工場の誘致を進めていました。しかし最近、少し様子が変わってきています。

 

 われわれ日本人にとっては、2012年の中国国内での反日デモは記憶に新しいところです。多くの在中国日系企業が被害を受けました。そのことで、国民感情の悪い国に進出することのデメリットが多く語られるようになりました。

 

 また、中国での賃金の高騰と人手不足は、日系企業のみならず頭の痛いところです。年間2ケタで上昇している賃金のために、低コストの生産拠点としての魅力が薄れ、しかも多くの企業が進出してきたことで人手不足に陥っているのです。巨大な人口を抱える中国で人手不足というのは意外な気がしますね。

 

 最近、工場勤務から金融業やホテル、販売業などのサービス部門に転職する中国人労働者が増えているそうです。これは中国市場が成熟したことで、国内消費が伸びたことを意味しますが、若い中国人にとっては工場に就職よりも、サービス業界に就職するほうが格好良く映るそうなのです。

 

 中国政府の調査によると、サービス部門では過去5年間で3700万人の新規雇用を創出しており、今後も増えることが予想されます。以前は工場同士で労働者の奪い合いをしていたのが、今ではサービス業界との間で働き手を奪い合う状況になっているそうです。

 

 昨年のデモの影響で中国撤退を考える日系企業も潜在的に多く、今後本格的な撤退の流れに向かうかもしれません。しかし、残念ながら日本本国に戻るという流れではないようです。次は世界の工場は、タイやインドネシアなどのASEAN諸国になるかもしれませんね。